開発者インタビュー Vol.02
"このゲームをまだ覚えてくれている人はいるだろうか...?と日々不安になりつつも、ただ楽しくて好きで作っていた気持ちは最後まで忘れずに続ける事が出来ました。"- ゑっ

 

Isao:

今回は、日本のインディーゲーム界を賑わせている横スクロールアクションゲーム『LIBLADE』の制作者にお話をうかがいました。

ゑっ様にインタビューをお願いさせていただき、快く引き受けて頂きました!『LIBLADE』開発秘話や、ゲーム制作に関する思いなどについて、色々とお話しを伺っていきたいと思います。本日はどうぞよろしくお願い致します!

 

ゑっ:

よろしくお願い致します!ゑっと申します。

 

Isao:

まずは早速ですが、2021年11月6日にSteamでリリースされたアクションゲーム『LIBLADE』について、簡単にご紹介いただけますでしょうか?

 

ゑっ:

『LIBLADE』はアナログスティックを活用した斬撃アクションが特徴の横スクロールアクションゲームです。とにかくスティックを弾いて豪快に斬りまくるアクションが売りです!

 

liblade_screenshot

 

Isao:

『LIBLADE』は東京ゲームショウ(TOKYO GAME SHOW)で体験版を公開されており、リリースの数年前からインディーゲーム界隈をかなり賑わせていた印象があります。注目していたゲームファンの方も多かったのではないでしょうか?完全版リリースに向けて、どのような思いで開発に取り組まれておられましたか?

 

ゑっ:

私の開発は2017年10月にスタートし、2018年にイベント出展を通じて露出しました。ありがたいことに、イベントを通じて多くの方に興味を持っていただき、その時期が私たちのゲームの一番人気の時期でしたね(笑)。

しかし、その後は昨今の感染防止の状況を鑑み、出展の機会はなくなりました。

もともと会社員をしながら趣味で開発していたものですので、思うように開発が進まない時期もあったり、SNSの更新が数か月途切れてしまう事もありました。 開発終盤になると、このゲームをまだ覚えてくれている人はいるだろうか...?と日々不安になりつつも、ただ楽しくて好きで作っていた気持ちは最後まで忘れずに続ける事が出来ました。

 

Isao:

その不安になる気持ち、私もとてもよく分かりますし、みんな共感してくれると思います。

プレイシーンのトレイラーを少し見ただけでも、とにかく派手で爽快な斬撃エフェクトが光っていて、本当に良い意味で中毒性の高いアクションゲームだなと感じました!誰がパッと見ただけでも一瞬でどういうゲームなのか分かりやすいですし、スコアアタックの機能など、アクション系が好きなゲーマーの心を虜にして、細かい部分まで考えて制作されているなぁと感じました。このような狙いは、ゲーム制作の初期計画の段階から既に具体的なものとして決まっていたのでしょうか?

 

slash action

 

Eh :

ありがとうございます。基本となる、スティックを弾いて画面端から端まで斬るという要素は最初期からありました。

しかし、作り始めのほんのひと時はアクションというよりちょっとパズルじみていました。 地形をぴったり斬って道を作って進んだり、なるべく斬る回数を抑えながら一度の攻撃に複数の敵を巻き込んで殲滅したりと、少し慎重なゲームアイデアになっていました。

これは、プロトタイプの検証の環境に問題があったのですが... それからすぐに、このコンセプトならデタラメにスティックを弾きまくって滅茶苦茶に斬り続けられた方が楽しいという事に気づきました。(笑)

ならば敵の攻撃も斬って跳ね返せるように。ですのでガードアクションも用意していません。

ひたすら派手な攻撃を繰り出し、多彩な攻撃技を状況に合わせて使い分けることでさらに気持ち良く勝利できるゲームを目指しました。

 slash

slash2

 

 

Isao:

本当にありがたいことなんですが、実は、『LIBLADE』作中で、全てのシーンにおいて私たちのBGM素材を使っていただいておりまして、とても驚きました!どのような流れでSOUND AIRYLUVSのBGM素材集を見知って頂き、全てのシーンに取り入れようとされた経緯など聞かせていただけますでしょうか?

 

ゑっ:

ISAO様の作品に初めて出会ったのはdova-sで『Blue Garnet』を発見した時です!
この時はSNSに上げる宣伝動画のためのフリー音楽素材を探している時でした。

他にも気に入った音楽素材が見つかっていたのですが、それらも全てISAO様の作品だったんです。 以来、すっかりSOUND AIRYLUVSの楽曲にはまってしまい、プレイリストを作って作業中など日常的によく聴くようになりました。 これが自分のゲームに使えてしまうのだから、日頃から作業用BGMとして高品質な楽曲を鑑賞しながら素材探しにもなるのでお得でしかありません!

しかも新作もどんどん発表されていますし、素材集には過去作品のアレンジリメイクやバリエーションも含まれている点が非常に熱いです。

素材集として購入したというより、毎回好きなアーティストさんの作品集を手に入れている気分です!

ゲームの全てのシーンに取り入れようと思ったのは、単純に『滅茶苦茶大好きで全部使いたいから』に尽きるんですが、 個人的なポイントは『Blue Garnet』に含まれるメロディラインと共通のものが他の複数の楽曲にも含まれているところですね。

複数の音楽を通して一つのゲームの世界を表現するのに、これはとても効果的でした。

 

Isao:

ありがとうございます! 実は私も実際にゲーム内でどのようにBGMを使って頂いているのか、こっそり見てみたんです。

まず最初のステージで『Blind of Astria』"Vol. 6 Legendary Boss Fight Game Music")が使われていて、「おお!ここで持ってくるんだ!」とつい声が出ました(笑)そして途中で雨のステージが出てくると思うのですが、『Rainy Overdose』"Vol. 1 Fantastic Electro Game Music")がとても良い感じに使って頂いているんですよね。激しくて熱いアクションゲームの背景にぼんやりと広がっている切ない世界観、その二面性が上手くマッチされていて、「書き下ろし曲かな?」とBGM素材を作曲した本人すらも錯覚してしまうくらいでした。

 

ゑっ:

初めて『Blind of Astria』を聴いたとき、もうこれしかないじゃん!という気持ちでした(笑) 実は『Rainy Overdose』を先に聴いて、この音楽を流す為だけに雨のステージを作ったんですよね。逆書き下ろしですね(笑)

他にも、終盤のステージに合いそうな楽曲は選択肢が豊富で、使いたかったけど使えなかったものもありました。

『Greyscale Scenery』『the Pale of World』など・・

そういえば、『Rainy Overdose』『Blaze』など、同名で公開されている作品でも実は公開時期によってアレンジやバリエーション違いがいくつかありますよね。

それらを見つけた時、嬉しい反面ゲームとしてはどちらがマッチするのかずっと唸って考えていました(笑)。曲の入りや、イベントシーンと合わせたイントロの尺など...

『Rainy Overdose』も、『LIBLADE』で流れているのは敢えて2016年に公開されていたバージョンだったりします。

 

screenshot3

 

Isao:

それはとても良いことを知りました。これからも、いろいろなバージョンを作っていきたいと思っています。

そういえばラストバトルでの、あそこのあのシーンのBGMのチョイスについてもぜひ知りたいのですが、(というより既プレイの方はなんとなく察していらっしゃるかもしれませんが)、ネタバレになってしまうのでこの場ではお聞きできませんよね(笑)

 

ゑっ:

あの曲ですね!テーマを知った上でチョイスしているので、もちろん意味があります。

ゲームのお話の流れがなんとなく分かると、確かにそういうことかも!?ってなるやも。でも、解釈次第ですね(笑) ここは是非本編で見て欲しいです。

 

Isao:

というわけで、SOUND AIRYLUVSの楽曲ファンの皆様にも、ぜひこのシーンを感じてほしいと思います!絶対プレイしてみてください!

最後になりますが、初めてこれからゲーム開発を頑張ろうとしている方や、ゑっ様自身の今後の展望などお話しできる範囲で聞かせていただけますでしょうか?

 

ゑっ:

これからゲームを作ろうと思っている方は、とにかく楽しんでゲームを作って下さい!

作りたいゲームシーンの妄想が捗る楽曲をたくさん聴くのもオススメです(笑)

私自身も今後、色んな所でゲームを作り続けていると思います。またどこかで作品を公開できたらな~とも!

本日はありがとうございました!

 

Isao:

こちらこそ、どうもありがとうございました!

 

 

liblade

LIBLADEをプレイ 

▼Steam
http://store.steampowered.com/app/1736300/LIBLADE/

▼itch.io
http://eh-game.itch.io/liblade

 

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